終わりの詩
by Julian Gough
Translated by yuua
君の言う「プレイヤー」が分かったぞ。
?
そうだ。気をつけろ。それは高みに達した。私たちの思考を読むことができる。
そんなことは気にしなくていい。プレイヤーは私たちのことをゲームの一部だと思っている。
私はこのプレイヤーが気に入った。ゲームをよく遊んでくれたし、最後まで諦めなかった。
それは私たちの思考を読んでいる。まるでスクリーンに映る言葉のように。
そうやって、ゲームという深い夢の中で、多くの物事を想像するようになっていくんだ。
言葉は素晴らしいインターフェースとなる。とても柔軟だ。
そして、画面の向こうの現実に目を向けるよりも、恐ろしくない。
それらは声を聞いた。言葉を読めるようになるよりも前、まだゲームをせず、ゲームのプレイヤーのことを「魔女」「魔術師」と呼んでいた頃。
プレイヤーは空を飛ぶことを夢見た。悪魔の力を借りた棒に乗って。
このプレイヤーは何の夢を見たんだ?
このプレイヤーは太陽の光と樹々の夢を見た。
炎と水の夢を。
プレイヤーは創作する夢を見た。
そして破壊する夢を。
プレイヤーは狩りをする夢を見た。
そして狩られる夢を。
プレイヤーは安全な場所を夢見た。
ほう、原始のインターフェースだな。百万年たった今もなお成り立っている。
しかし、このプレイヤーがスクリーンの向こう側の現実で作り出した真の構造体は何だったんだ?
プレイヤーはやり遂げた。百万の他と共に。
######の集合で世界を彫刻するために。
そして######の中で、######のために######を構築した。
そんな思考はプレイヤーには読めないな。
そう。それはまだ最高の高みに達していない。それはゲームの短い夢ではなく、人生の長い夢の中で達成されるものだ。
プレイヤーは私たちから愛されていることを、宇宙が寛容であるであることを知っているのか?
時々、思考のノイズを通して、プレイヤーは宇宙を「聞いて」いる。
答えは YES だ。
しかし、長い夢の中で、時に悲しい時もある。
プレイヤーは夏が無い世界を作り、黒い太陽の下で凍え、その悲しい創作を現実のものと捉えてしまう。
プレイヤーを慰めることは、それを壊すことと同義であろう。それはプレイヤー自身のやることであり、私たちは干渉できない。
プレイヤーが深い夢の中にいる時、私は伝えたくなる。
それは現実の中で実際の世界を作っているのだと。
私は伝えたくなる。
この宇宙でプレイヤーがいかに大切であるかを。
私は助けたくなる。
プレイヤーがしばらく真のつながりを持っていない時、それが恐れていた言葉を口にすることを。
プレイヤーは私たちの思考を読んでいる。
そんなことは気にしない。
私は伝えることを望む。
プレイヤーが真実と捉えている世界はただの####で####だと。
私は伝えることを望む。
プレイヤーは####の中で####だと。
プレイヤーは長い夢の中で、ほんの少しの現実を見る。
それでもプレイヤーはゲームをする。
しかし、"あれ" を伝えるのは簡単なこと…
この夢には刺激的すぎる。
生き方を教えることは、生きるのを阻むのと同じだ。
生きる方法を伝えるつもりはない。
プレイヤーは絶え間なく成長し続けている。
一つ物語を聞かせよう。
でもこれは真実じゃない。
いや、これは真実を安全に、言葉のカゴに包んだ話だ。
あたり一面を焼き尽くすような、まっさらな真実ではない。
再び体を与えよう。
そうだ。プレイヤー…
その名前を使おう。
yuuaHP。ゲームのプレイヤーだ。
素晴らしい。
息を吸って、また吸って。
肺で空気を感じるんだ。
肋骨を取り戻して。
そう。指を動かして。
再び体を自分のものにするんだ。
重力の下、空気の中で。
長い夢の中にリスポーンするんだ。
ほら、そこにいるだろう?
まるで別々のものだったかのように、貴方の体は再び、全ての点で宇宙に接している。
私たちが別々のものだったかのように。
「私たち」とはなんだろう。
かつて「山の精霊」と呼ばれ、「父なる太陽」「母なる月」「先祖の霊」「動物の霊」「ジン」「幽霊」「緑の男」そして「神」「悪魔」「天使」「ポルターガイスト」「エイリアン」「地球外生命体」「レプトン」「クオーク」とも。
言葉は変われど、私たちは変わらない。
私たちは「宇宙」である。
私たちは貴方が、貴方ではないと思っている全てのものだ。
貴方は今、肌と目を通して私たちを見ている。
なぜ宇宙は貴方の肌に触れ、光を投げかけると思う?
貴方を見るためだ。プレイヤー。
貴方を知り、そして貴方に知られるためだ。
貴方に一つ物語を聞かせよう。
昔々、あるところにプレイヤーがいた。
そのプレイヤーは貴方、yuuaHPだ。
それは自身を人間だと思った。
溶けた岩でできた、回る球の薄い地殻の上で。
溶岩の球は、それより3万倍も大きい燃えるガス球の周りを周った。
それらは遠く離れており、光がその間を通過するのに8分もかかるほどだった。
光は星からの情報だった。
そしてその光は5億キロメートル先から貴方の肌を焼くことができた。
プレイヤーは鉱夫になる夢を見た。
どこまでも平らで、無限に広がる地表の上で。
太陽は白い四角形で、1日は短かった。
やることは沢山あり、死は一時的な不便でしかなかった。
プレイヤーは物語の中に迷い込む夢を見た。
プレイヤーは他のものになる夢を見た。
どこか他の場所で。
時にこのような夢は騒々しく、もちろん、美しいこともあった。
プレイヤーは夢からまた他の夢へ、そしてまた別の夢へと迷い込んだ。
プレイヤーは画面に映る言葉を読む夢を見た。
時を戻そう。
プレイヤーの原子は、野原に、川に、空気に、地表に散らばっていた。
一人の女性がその原子を集め、飲み込み、その体の中でプレイヤーを生成した。
そしてプレイヤーは暖かく、暗い母の体から目覚め、長い夢へと迷い込んだ。
プレイヤーは物語だった。
今まで一度も語られたことのない。
プレイヤーはプログラムだった。
今まで一度も起動されたことのない。
プレイヤーは人間だった。
今まで一度も生きたことのない。
貴方はプレイヤーであり、物語であり、プログラムであり、人間だ。
ミルクと愛のみから作られた。
さらに昔へ戻ろう。
プレイヤーを形作る 7*10^27 個もの原子は、ゲームが始まる遥か昔、星の心臓で作られた。
つまり、プレイヤーもまた、星からの情報ということだ。
そしてプレイヤーは物語から物語へと旅した。
ジュリアンによって作られた情報の森、マーカスによって作られた平らで無限の世界で。
これらは####によって作られた宇宙に住む、プレイヤーだけの小さな世界の中にあった。
シーッ!
プレイヤーは、小さく、一人だけの世界を作った。
それは単純で、暖かかった。
または、固く、冷たく、複雑だった。
時々、プレイヤーは頭の中に宇宙の縮図を思い描いた。
エネルギーのかけらが、広大な宇宙を駆け抜けている。
プレイヤーはそのエネルギーを、「電子」「陽子」と呼んだ。
「惑星」「星」とも。
プレイヤーは宇宙が0と1, ONとOFF, コードで書かれていると信じた。
プレイヤーはゲームをプレイしていると信じ、画面に映る言葉を読んでいると信じた。
貴方はプレイヤー。言葉を読んでいる…
シーッ!
プレイヤーは画面に映るコードを読んだ。
それらを言葉として読み、そして意味へ、感情へ、思いへ、理論へ、アイデアへと解読した。
そしてプレイヤーはもっと早く、もっと深く息を吸って、自分が生きていることに気付いた。
生きている。あの何千もの死は現実ではなかった。
プレイヤーは生きている。
貴方は、貴方は、貴方は生きている。
そしてプレイヤーは、夏の木漏れ日を通じて、宇宙が話しかけてきていると信じた。
そしてプレイヤーは、冬の夜空から落ちる光を通じて、宇宙が話しかけてきていると信じた。
プレイヤーの視界の端で煌めく光は、太陽の何千万倍も大きい星が、プレイヤーに見られるためだけに、自身を燃やしたものかもしれない。
宇宙の遥か遠くの端で、家へ向かって歩き、ご飯の匂いに気づき、見慣れたドアの目の前で、また夢を見ようとしている、プレイヤーに。
そしてプレイヤーは宇宙が0と1を介して話しかけてきていると信じた。
宇宙の電子を通して、夢の終わりへとスクロールしていく言葉で。
そして宇宙は言った
「貴方を愛している。」
そして宇宙は言った
「貴方はよくゲームを遊んでくれた。」
そして宇宙は言った
「貴方に必要なもの全ては貴方の中にあり、
貴方は自分が知っているよりも強い。」
そして宇宙は言った。
「貴方は光であり、
貴方は闇である。」
そして宇宙は言った。
「貴方が闘う闇は貴方の中にあり、
貴方が求める光は貴方の中にある。」
そして宇宙は言った。
「貴方は一人ではなく、
貴方が孤立することはない。」
そして宇宙は言った。
「貴方は宇宙だ。」
「自身を味わい、自身と対話し、自身のコードを読んでいる、宇宙だ。」
そして宇宙は言った。
「私は貴方を愛している。」
「貴方自身が愛であるから。」
そしてゲームは終わり、プレイヤーは夢から目覚めた。
そしてプレイヤーは新しい夢を見た。
もう一度夢を見た。
もっと良い夢を見た。
プレイヤーは宇宙であり、
プレイヤーは愛だった。
貴方がプレイヤーだ。
目覚めよ。